奈良時代後期に成立した『万葉集』は現存する日本最古の歌集です。

『万葉集』という書名の意味は「多くの(万)」詩華(=葉)を集めた(=集)もの」の他、諸説存在しています。

仁徳天皇の皇后、磐姫の歌から天平宝字3年(759年)正月1日の大伴家持まで400余年間に渡る全20巻、約4500種の歌から成り立っています。

『万葉集』の編纂は数回にわたって行われ、現在のような形に整えたのは大伴家持だといわれています。

また、『万葉集』長歌・短歌・旋頭歌・連歌などの歌の他、漢文の序・書簡・詩なども収録されています。歌の作者は非常に幅広く、天皇や皇后、皇子、皇女、貴族、役人、僧侶、農民などが存在し、作者不詳の句もあります。

区切り 代表的歌人
第一期 初期万葉 壬申の乱まで(672年) 有間皇子・額田王
第二期 白鳳万葉 持統天皇の崩御まで(702年) 天智天皇・天武天皇・持統天皇・柿本人麻呂
第三期 平城万葉 長屋王の変まで(729年) 山上憶良・山部赤人
第四期 天平万葉 大伴家持最後の歌まで(759年) 大伴家持・大伴坂上郎女

万葉仮名について

古来の日本人は固有の文字を持っていませんでした。

そのため、中国から入ってきた漢字を用いて、歌をあらわしました。

『万葉集』最初の歌

籠もよ み籠持ち、堀串もよ み堀串持ち この岳に、菜摘ます児 家聞かな 名告らせね そらみつ 大和の国は おしなべて われこそ居れ しきなべて われこそ座せ われこそは 告らめ 家をも名をも

こもよ みこもち ふくしもよ みぶくしもち このをかに なつますこ いえきかな なのらせね そらみつ やまとのくは おしなべて われこそをれ しきなべて われこそませ のらめ いえをもなをも

雄略天皇

現代語訳

籠よ、美しい籠を持ち、へらよ、美しいへらを手に持ち、この丘に名を摘む娘よ、あなたはどこの家の娘さんですか?そらみつ大和の国は、すべて僕が従えているのだ。すべて僕が支配しているのだ。僕こそ明かそう。家柄も、僕の名も。

解説

『万葉集』最後の歌

新しき年の始の初春の今日降る雪のいや重け吉事

あたらしきとしのはじめのはつはるのきょうふるゆきのいやしけよごと

大伴家持

現代語訳

新しい年の始めの、新春の今日を降りしきる雪のように、いっそう重なれ、吉き事よ。

解説